たかが皮膚病と侮るなかれ

 アトピー性皮膚炎の患者さんの場合は、皮膚のバリア機能が低下しているため、単純ヘルペスウイルスが皮膚に付着すると容易に感染し、顔や体の広範囲に水ぶくれが現れます。
 これをカポジ水痘様発疹症(すいとうようほっしんしょう)といい、初感染、再発のいずれでも生じますが、とくに初感染の場合はウイルスに対する免疫がないために重症化し、死亡することもあります

わぁお。

なお「再発」という言葉が使われているのは、原因となる単純ヘルペスウィルスが神経節に潜伏感染し、免疫低下時に再度活性化するという性質があるため。といっても同じ単純ヘルペスウィルスが原因となる口唇ヘルペスのページによると大人の半数は感染しているというデータもあるようで、感染していても別に珍しいものでもないようなのでその点はご安心を(?)。

日本人では10人に1人が口唇ヘルペスにかかったことがあると推計されています。しかし、症状は出ていなくても原因である単純ヘルペスウイルスに感染しているという人はもっと多く、20代〜30代で感染している人は約半数、年齢が高くなるにつれその感染率も高まり、60代以上ではほとんどの人が感染しているというデータもあります。中には自分が感染していることに気づいていない人もいるでしょう。